(1)概況
2003年末の大量破壊兵器の放棄の宣言以来、二国間関係は着実に拡大し、要人往来も活発化している。2007には外交関係樹立50周年を迎えた。経済活動の多様化と高度化を図るため、日本の技術に対する期待が大きい。
2005年と2006年、新規石油鉱区公開入札で日本企業6社が8鉱区を落札した。合弁事業の具体化が進展するとともに、外国企業のサブ・コントラクターとして参入する日本企業も増えつつある。特に、2009年12月、明治大学おいて、カダフィ指導者が衛星通信を利用した講演(アジアでは初講演)を行って以来、リビアの我が国に対する関心が高まっている。
(2)政治関係
1999年4月の国連安保理制裁停止、2003年9月の同制裁解除、2003年12月のリビアによる大量破壊兵器計画放棄決定以降、要人往来が活発化している。
<近年の主な要人往来(肩書きは全て当時)>
-我が国要人のリビア訪問
1974年1月 小坂元外務大臣(総理特使)
1979年11月 日本・リビア友好使節団(団長:木村元外務大臣、超党派議員団)
1985年8月~9月 日本・リビア友好協会友好使節団(団長:櫻内元外務大臣)
1998年11月 日本・リビア友好協会友好使節団(団長:柿澤元外務大臣)
1999年9月 貿易投資シンポジウム出席(団長:柿澤元外務大臣)
2000年9月 荒木外務総括政務次官
2004年6月 逢沢外務副大臣(総理特使)
2004年12月 福島外務大臣政務官
2005年3月 柿澤元外務大臣(外務大臣親書携行)
2005年11月 日本AU友好議員連盟北部アフリカ訪問団(団長:尾身元科学技術担当大臣)
2006年4月 日本・リビア友好協会使節団(町村元外務大臣、柿澤元外務大臣)
2006年8月 松田内閣府科学技術政策・IT担当大臣(総理特使)
2006年12月 小池内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)
2007年3月 松田参議院議員(元内閣府科学技術政策・IT担当大臣)
2007年6月 岩屋外務副大臣
2007年6月 日本・リビア友好協会使節団(団長:柿澤元外務大臣)
2008年12月 松田参議院議員(元内閣府科学技術政策・IT担当大臣)
2009年7月 松田参議院議員(元内閣府科学技術政策・IT担当大臣)
2009年11月 日本・リビア友好協会使節団(団長:小池百合子元環境大臣)
2010年6月 松田参議院議員(EDB国際諮問委員会出席)
-リビア要人の訪日
1983年12月 ラジャブ国会議長
1985年4月 モンタセル重工業相
1985年8月 トレイキ外相(外賓)
1985年10月 ヒガーズィ首相
2000年2月 ズリティニー経済貿易相(高級実務者)
2001年6月 サーディ・カダフィ・サッカー協会会長
2002年9月 サーディ・カダフィ・サッカー協会会長(W杯観戦、非公式)
2002年9月 ズリティニーNOC(リビア国営石油公社)総裁(第8回国際エネルギー・フォーラム)
2003年9月 シアラ副外相(TICADⅢ)
2004年8月 シアラ副外相
2005年4月 セイフ・アルイスラム・カダフィ国際慈善基金総裁(博覧会賓客)
2006年7月 ガーネムNOC(リビア国営石油公社)総裁(元首相)
2006年9月 マアトーク労働相
2008年1月 シアラ副外相(カダフィ指導者特使)
2008年5月 バラーニ副外相(TICADⅣ)
2008年10月 バグダーディ教育相(第5回科学技術大臣会合)
2009年3月 バラーニ副外相
2010年4月 ジブリールEDB(経済開発理事会)総裁
2010年6月 タイフ観光庁長官
(3)経済関係
石油・天然ガス分野を中心に、我が国企業がリビアに進出している。また、我が国は、リビアに対し、自動車をはじめ、一般機械、電気機械等を輸出しており、我が国の大幅出超(2008年の輸出額は約374億円、輸入額は約8億円となっている。〔出典:財務省貿易統計〕)
近年の動向として、2005年10月にリビアで行われた第二回石油鉱区公開入札で我が国企業5社が6鉱区落札し、リビアにおける石油開発事業に初めて進出した。2006年12月20日には、第三回石油鉱区公開入札が実施され、我が国企業2社が2鉱区を落札した。
2009年12月、日本の製造業としては初めて、積水化学が当地国営基金との間で水道管製造の合弁事業の調印を行った。また、外国企業のサブ・コントラクターとして参入する日本企業も見られる。
|