(注:各種報道をまとめていますが、報道内容そのものが必ずしも正しいとは限らないので、その点ご了解願います。)
最近の主なリビア情勢(12月16日~31日)
16日:西部バニ・ワリードで,治安部隊と身元不明の武装集団との武力衝突が発生し,治安部隊メンバー3人が死亡,同数人が負傷した。
17日:東部ベンガジに所在する警察署付近で爆弾が爆発し,近辺に駐車されていた地元住民の車両2台が損傷したが,死傷者は発生せず。
17日:東部デルナに所在する地元ラジオ局の建物付近で,爆弾が爆発し,同建物が損傷したが,死傷者は発生せず。
18日:トリポリ空港のVIPラウンジで,マルタに本社を置く航空会社「メダヴィア」の社長及び同社技術マネージャーの2人がマルタ便の出発を待っていたところ,元民兵から成る治安機関「最高治安委員会」(SSC)のメンバーに拘束され,西部ザーウィヤに連行された。両名は,2週間余りにわたり,一昨年のリビア内戦でカダフィ側に協力していたとして尋問を受け,翌月3日になってその解放が確認された。
19日:東部デルナで,元民兵から成る地元機関のメンバーが自宅を出たところ,身元不明の武装集団から襲撃を受けて死亡した。
20日:東部ベンガジで,警戒中の国軍部隊が身元不明の武装集団から襲撃を受け,兵士及び治安部隊メンバー計8人が負傷したほか,襲撃現場の付近にいた市民3人が死亡,同8人が負傷した。
20日:東部ベンガジで,国軍部隊と武装デモ隊との武力衝突が発生し,双方合わせて3人が死亡,16人以上が負傷した。リビア国軍の発表によれば,国軍施設にデモ隊が押し寄せ,同施設で拘留中とされる容疑者2人を解放するよう要求したことから,同施設の責任者が対応に当たっていたところ,武装していた一部のデモ参加者が同施設に向けて軽火器やRPG砲を発砲し,国軍部隊側と銃撃戦になったとされる。
27日:ベンガジ東方約50キロに位置するアブヤールで,地元治安機関の幹部が自宅にいたところ,身元不明の武装集団から襲撃を受けて死亡したほか,同人の母親も負傷して病院に搬送された。
28日:東部ミズダに所在する病院が身元不明の武装集団から襲撃を受け,同病院を警備していた治安部隊が応戦したところ,同部隊メンバー2人が負傷した。
29日:西部ミスラタに所在するコプト教会付近で,爆弾によるものと見られる爆発が発生し,エジプト人2人が死亡,数人が負傷した。
29日:南部ガリーファで,地元住民と少数民族との間で武力衝突が発生し,双方合わせて4人が死亡,多数の負傷者が発生した。
30日:東部ベンガジに所在する地方検察庁の庁舎付近で爆弾が爆発し,同庁舎施設の一部及び同庁舎周辺に駐車中の車両数台が破損したが,死傷者は発生せず。
最近の主なリビア情勢(12月1日~15日)
2日:東部デルナに所在する国防省の地元事務所付近で,爆弾が爆発し,事務所建物が一部損傷したものの,死傷者は発生せず。
3日:東部ベンガジの商店街で爆弾が爆発し,店舗建物の一部が損傷したものの,死傷者は発生せず。
4日:東部ベイダで,アリー・ゼイダーン首相が地元地方評議会の関係者と協議していたところ,民兵グループのメンバー複数が同首相の警護官を襲撃した上で,同首相の公用車を損傷させた。同首相は襲撃現場を直ちに逃れて無事であった。
4日:トリポリ市東部のアイン・ザーラ地区で,帰宅途中であったトリポリ大学医学部の教授が身元不明の武装集団に誘拐された。翌5日になって,同教授が無事解放されたことが判明したものの,解放に至るまでの経緯については不明である。
4日:東部ベンガジで,反民兵デモを主導したことで知られる活動家が同市内の自宅を出た直後,身元不明の武装集団に襲撃され,同行していた同人の義弟が死亡した。同人は,9月21日に「ベンガジを救う金曜日」と銘打って行われたベンガジでの大規模デモを主催した1人であり,同デモでは,民兵組織の解体等が強く要求されていた。
7日:東部トゥクラで,地元警察と武装グループが銃撃戦を交わし,警察官1人が負傷した。
10日:西部ホムスで,国連スタッフが車両2台に分乗してトリポリに向かっていたところ,何者かから銃撃を受けたが,死傷者は発生せず。
11日:西部ガダーメス近郊の町ダルジで,警察署が身元不明の武装集団から襲撃を受け,警察車両3台と同署内にあったライフル銃3丁が強奪されたが,死傷者は発生せず。
12日:東部ベンガジに所在する警察署にロケット弾が着弾し,爆発した結果,警察官5人が負傷した。
14日:トリポリ市ダハラ地区で,地元銀行が,数百人規模の武装集団から襲撃を受け,従業員2人が一時拘束されたほか,同銀行の設備が破壊及び略奪されたものの,死傷者は発生していない。
15日:南東部タラゲンで,地方評議会議員が自宅を出たところ,身元不明の武装集団から襲撃を受けて,同議員が死亡,同議員の家族2人が負傷した。
15日:東部ベンガジで,警察署2か所に対する襲撃が相次ぎ,合わせて警察官4人が死亡,同3人が負傷した。
最近の主なリビア情勢(10月1日~15日)
1日:東部ベンガジの警察検問所で、付近を通行中の車両から同検問所に爆弾が投げ付けられ、同検問所に詰めていた警察官2人が負傷した。
1日:東部ベンガジで、治安部隊を狙ったと見られるRPG弾が着弾し、治安部隊メンバー2人が負傷した。
2日:西部バニ・ワリード近郊で、リビア国軍部隊が武装集団と交戦し、1人が死亡、約10人が負傷した。バニ・ワリード周辺には、同日朝、国軍参謀本部から集結命令を受け、トリポリ、ベンガジ、ミスラタ等の周辺都市から国軍部隊が動員されていた。
3日:東部スーサで、身元不明の武装集団が治安部隊の検問所に爆弾を投げ付け、同爆弾が爆発した結果、同検問所に詰めていた治安部隊メンバー3人が死亡、同1人が負傷した。
3日:アブー・シャグール次期首相が新内閣の閣僚名簿を発表した。
4日:トリポリで、西部ザーウィヤから来たと見られる約200人のデモ隊が、制憲議会の議事会場に乱入し、アブー・シャグール次期首相が前日発表した閣僚名簿に抗議するとともに、同議事会場を一時占拠する騒ぎがあった。
4日:アブー・シャグール次期首相は、前日発表した新内閣の閣僚名簿を撤回する旨発表した。
4日:中西部シルテで、警察官が警察車両を運転していたところ、身元不明の武装集団から銃撃を受け、同警察官1人が負傷した。
6日:何者かに誘拐・軟禁されていたイラン赤新月社代表団のメンバー7人が無事解放された。同7人は本年7月、リビア赤新月社ベンガジ事務所の招請に応じて同地を訪問し、ベンガジ市内を移動していたところ、何者かに誘拐され消息不明となっていた。
6日:トリポリで、「タグイール党」に所属するジュマア・エル・ガマーティー氏が身元不明の武装集団に一時拉致された。同氏によれば、拉致された後、トリポリ市内を車で連れ回され、しばらくして郊外の空港道路付近で解放されたという。
7日:アブー・シャグール次期首相が制憲議会に閣僚名簿を再提出したものの、その後、同名簿に掲載された各閣僚の承認に係る議員投票が行われた結果、同首相自身が首相としての議会承認を受けることができず、罷免された。
9日:トリポリで、在リビア・オマーン大使館の職員が館用車を運転していたところ、身元不明の武装集団から襲撃され、同車両が強奪された。
10日:西部バニ・ワリード近郊のマルドゥーム地区で、国軍部隊と武装集団が交戦し、3人が死亡、約35人が負傷した。
13日:東部ベンガジで、地元警察幹部の警察車両に仕掛けられた爆弾が爆発したものの、死傷者は発生せず。
14日:制憲議会で首相指名投票が実施され、アリー・ゼイダーン前制憲議会議員が次期首相に選出された。
15日:東部ベンガジで、治安部隊メンバーの車両に向けて投げ付けられた爆弾が爆発し、警察官1人が負傷した。
最近の主なリビア情勢(9月16日~30日)
16日:トリポリ中心部で、ギリシャ正教会が身元不明の武装集団から襲撃を受け、聖像が破壊されるなどの被害が出たものの、死傷者は発生せず。
16日:マガリエフ制憲議会議長は、マスメディアの取材に対し、11日の米国公館襲撃事件に関与した容疑で約50人が逮捕された旨明らかにした。
21日:東部ベンガジで、参加者3万人に上ると見られる大規模デモが行われ、「ベンガジを救うための金曜日」とのスローガンの下、民兵組織の解体並びに正規の軍及び警察の設立を求めた。こうした中、暴徒化した一部のデモ隊が民兵組織の拠点施設を襲撃し、応戦した民兵組織と交戦したところ、4人が死亡、60人以上が負傷した。
22日:マガリエフ制憲議会議長は記者会見で、ベンガジを始め各地で治安回復に向けたあらゆる措置を講じるため、国軍参謀本部指揮下の共同治安作戦室を設置する意向を示した。その上で、国家の法律の統制を受けていない民兵組織を解散させるとした。
22日:国軍参謀本部は政府の統制下に入っていない民兵組織に対し、トリポリ及びその周辺地域の施設等から48時間以内に退去するよう通告した。
23日:リビア国軍傘下の作戦部隊は、トリポリ空港とトリポリ中心部を結ぶ空港道路を一時閉鎖した上で、その周辺を拠点とする不法民兵組織の掃討を実施した。
24日:トリポリ中心部の「リクソス・ホテル」周辺で、民兵による抗議デモが行われていたところ、一部民兵が発砲を繰り返した上で同ホテル内の制憲議会の議事会場に侵入し、同ホテルに滞在中の同議員たちが緊急避難した。
27日:東部ベンガジで、治安部隊の施設付近に仕掛けられた爆弾が爆発し、建物の一部が破損したものの、死傷者は発生せず。
28日:トリポリ中心部で、参加者200人前後と見られるデモ行進が行われ、「トリポリを救うための金曜日」とのスローガンの下、民兵組織の解体及び過激イスラム組織の取締りなどを訴えた。
28日:東部ベンガジで、イスラム武装組織「アンサール・アル・シャリーア」の支持者約200人が集まり、政府による民兵組織の解体命令に不満を訴えた上で、治安機関施設に向けてデモ行進を行った。
29日:トリポリ中心部の「殉教者広場」及びベンガジ中心部の「タハリール広場」で政府、国軍、市民団体、マスメディア等が後援し、市民に武器回収を呼び掛けるイベントが行われた。
最近の主なリビア情勢(9月1日~15日)
2日:東部ベンガジで、軍情報機関職員の車両に仕掛けられていた爆弾が爆発し、乗車していた情報機関職員1人が死亡、同一人が負傷した。
7日:東部ラジマで、身元不明の武装集団が同地所在の聖廟を襲撃したところ、同聖廟を保護しようとした地元住民との間で銃撃戦となり、武装集団メンバー3人が死亡、7人が負傷した。
10日:東部ベンガジで、ベンガジ防空基地司令官のオベイディ大佐が市内のモスクで礼拝を終えて帰宅途中、身元不明の武装集団から銃撃を受けて死亡した。
11日:東部ベンガジの米国公館前で、米国で制作された映像が預言者ムハンマドを冒涜している旨抗議するデモが発生し、デモ隊と警戒中の治安部隊との間で衝突が発生した。
11日:東部ベンガジの米国公館が身元不明の武装集団から襲撃を受け、襲撃時に同公館に滞在していたクリストファー・スティーブンズ駐リビア米国大使を含む米国人4人が死亡した。
12日:トリポリで、キーブ暫定首相及びマガリエフ制憲議会議長が共同記者会見を開き、前日にベンガジで発生した米国公館襲撃事件を「犯罪行為」などと強く非難した。
最近の主なリビア情勢(8月16日~31日)
19日:トリポリの内務省付近及び旧女子警察学校付近の2か所で、自動車爆弾の爆発事件が発生し、旧女子警察学校の爆発現場では2人が死亡、5人が負傷した。
20日:リビア治安機関「最高治安委員会」は前日発生した2件の爆発事件の容疑者として32人を逮捕した旨発表した。その上で、逮捕者の中には親カダフィ派と見られる者が含まれている旨明らかにした。
20日:「最高治安委員会」は,トリポリ中心部のオマル・アル・ムフタール通り沿いで起爆装置につながれた爆発物複数を発見した旨発表した。
20日:東部ベンガジの在ベンガジ・エジプト総領事館付近で爆弾が爆発し、駐車中の同領事館職員の車両が破損したものの、死傷者は発生せず。
21日:「最高治安委員会」は、トリポリ市マンスーラ地区で自動車爆弾が発見され、爆弾処理隊によって解体された旨発表した。
23日:西部ズリテンの「シディ・アブドルサラーム・アル・アスマル・アル・フィトゥリ聖廟」が身元不明の武装集団から襲撃を受け、建物が一部損壊したものの、死傷者は発生せず。
25日:西部ミスラタの「スフィー・モスク」が身元不明の武装集団から襲撃を受けたものの、死傷者は発生せず。
25日:トリポリ中心部の高級ホテル「ラディソン・ブルー」向かいに所在する「シディ・シャアブ聖廟」が身元不明の武装集団から襲撃を受けたものの、死傷者は発生せず。その直後、同聖廟は治安部隊が見守る中、重機により解体された。
26日:トリポリ中心部の「シディ・シャアブ聖廟」(解体作業中)付近で、聖廟解体に抗議したイマーム1人がその後、消息不明になった。
27日:米国務省は、米国民に対し、リビアの治安が悪化しているとして不要不急なリビア渡航を避けるよう注意喚起を発した。
最近の主なリビア情勢(8月1日~15日)
1日:東部ベンガジで、爆弾が爆発が発生し、近辺の建物が損傷したものの、死傷者は発生せず。
4日:トリポリ市内の憲兵隊事務所近くで爆弾が爆発し、チュニジア人1人が軽いけがをした。
5日:西部ミスラタで、ICRCミスラタ事務所がロケット弾(RPG)や手榴弾を用いた襲撃を受け、事務所建物が大きく損傷したものの、襲撃時、事務所内にいたスタッフ7人に怪我は無かった。
7日:トリポリで、米国大使館員2人が自動車で移動していたところ、身元不明の武装集団から襲撃を受けたものの、2人は襲撃現場から無事逃れ怪我は無かった。
8日:トリポリで、国民暫定評議会(NTC)から制憲議会への権限移譲式典が行われ、NTCは立法府としての役割を終えて解散した。
9日:制憲議会が初招集され、ムハンマド・ユースフ・アル・マガリエフ「国民戦線」代表が制憲議会議長に選出された。
10日:東部ベンガジで、ベンガジ軍管区の国軍装備管理を担当するムハンマド・ハディーヤ・アル・フィトゥーリ准将がモスクで礼拝して帰宅途中に、待ち伏せしていた身元不明の武装集団から射殺された。
15日:リビア・エジプト国境で,国境警備隊と労働者を不法入国させようとしたリビア人武装グループとの間で銃撃戦が発生し,国境警備隊メンバー1人が死亡,5人が負傷した。
最近の主なリビア情勢(7月16日~31日)
19日:フリーの映画監督シャロン・ワード氏がトリポリ市内の国内避難民キャンプに赴き、同避難民の生活状況を撮影していたところ、同キャンプへの立ち入り許可を得ていなかったとして民兵と見られる者たちに一時拘束された。
22日:今月15日にトリポリ市内で何者かに誘拐されたアラファト・ジワン・リビア・オリンピック委員長が無事解放された。
26日:東部ベンガジで、元治安機関職員1人が車両に仕掛けられた遠隔操作型爆弾の爆発で死亡した。
27日、ベンガジ警察当局は、警察及び治安機関が入居する建物2か所に仕掛けられていた遠隔操作型の爆弾(いずれも40キロ相当)を除去した。
27日:ベンガジで、ロケット弾(RPG)を所持した身元不明の武装集団が刑務所を襲撃したが、死傷者は発生せず。
27日:ベンガジで、身元不明の武装集団が高等裁判所庁舎に手榴弾を投てきし、爆発により同庁舎外壁が一部損壊したものの、死傷者は発生せず。
28日:ベンガジで、旧政権下で治安機関に勤めていたスレイマン・ブズライダハ氏が礼拝のためモスクに向かっていたところ、何者かに狙撃され、搬送先の病院で死亡が確認された。
29日:ベンガジの高級ホテル「ティベスティ・ホテル」の地下フロアで仕掛け爆弾(60キロ相当)が発見され、同爆弾は駆け付けた治安当局によって直ちに解体・回収された。
29日:ハリーファ・ヒフティル国軍司令官の乗車車両を含む車列がベンガジ市内を移動していたところ、身元不明の武装集団が同車列に銃撃を加えたが、同司令官に怪我は無かった。
31日:イラン赤新月社の代表団メンバー7人が同社ベンガジ支部を訪問し、滞在先のホテルに戻る途中、乗車車両を複数の不審車両に包囲され、同7人全員が誘拐された。
最近の主なリビア情勢(7月1日~15日)
1日:東部マルジで「正義開発党」(リビア・ムスリム同胞団系政党)事務所が身元不明の武装集団の襲撃を受けたものの、死傷者は発生せず。
2日:東部ベンガジで、約300人が最高選挙委員会ベンガジ事務所前に集まって抗議活動を実施し、暴徒化した一部の抗議者が事務所前に積まれてたコンピューターや投票箱を破壊した。同じく東部のトブルグにおいても同委員会事務所前で地元住民が抗議を行った。
2日:リビア政府は、先月上旬に故カダフィ次男のサイフ・アル・イスラムと面会した際に西部ジンターン出身の民兵により拘束されていたICC司法チーム要員4人の解放を発表した。
4日:東部ベンガジのガルユニス地区の路上で、国境警察国境管理局長が、近付いてきた不審車両からの銃撃を受けて死亡した。
5日:国民暫定評議会(NTC)は特別会議を招集し、制憲議会発足に伴い設置が予定されている憲法起草委員会の起草委員60人につき、東部、西部及び南部から20人ずつ選出するとした「憲法宣言」の修正案を可決した。
5日:東部アジュダービヤで、選挙機材保管庫に何者かが放火し、保管されていた投票用紙、投票箱及び投票用インクの一部が焼失した。
5日:東部ベンガジで、医療施設「ベンガジ・メディカル・センター」にロケット弾数発が着弾したものの、死傷者は発生せず。
6日:東部ベンガジの郊外で、最高選挙委員会がチャーターしたヘリコプターが投票用紙等の選挙機材を搬送していたところ、地上から同ヘリを狙ったと見られる銃撃を受け、搭乗していた最高選挙委員会スタッフ1人が死亡、他1人が負傷した。
7日:全国各地で制憲議会選挙の投票が一斉に実施され、最高選挙委員会の発表によれば、投票率は約62%(投票者総数176万人/登録有権者総数約284万人)に上った。ただし、選挙機材への放火事件があった東部アジュダービヤでは、再搬入された選挙機材が何者かに盗まれ、投票手続が遅延した。同じく東部のベンガジでは、投票所2か所が身元不明の武装集団による襲撃を受け、最高選挙委員会はこの2か所の投票所を別の施設へ移動したほか、投票所で投票機材の強奪を試みた者1人が治安部隊によって射殺された。
9日:東部デルナで、モスク付近に仕掛けられた爆弾が爆発し、同地へのイスラム伝播に助力したことを記念して付近に建てられたアラブ人司令官の石像が破損したものの、死傷者は発生せず。
最近の主なリビア情勢(6月16日~30日)
16日:最高選挙委員会のアッバス委員長は記者会見を開き、制憲議会選挙(7月7日投票予定)の選挙運動期間を6月18日から7月5日までとする旨発表した。
17日:イアン・マーティンUNSMIL(国連リビア支援ミッション)代表は、西部ナフサ山岳部付近で発生したジンターン部族とマシャーシャ部族の武力衝突(約100人が死傷)に懸念を示した上で、リビア政府を始め関係当局に対し、衝突を終わらせるために必要な措置を講じるよう呼び掛けた。
18日:保健省は、今月に入ってクフラ、セブハ、ナフサ山岳部で発生した武力衝突で計50人が死亡、259人が負傷した旨発表した。
18日:トリポリ中心部に所在する首相府庁舎付近で簡易手製爆弾が爆発し、近辺に停車中の車両1台が損傷したものの、死傷者は発生せず。
20日:マナア政府報道官は、西部ナフサ山岳部で発生した一連の武力衝突(11日~17日)で計105人が死亡、約500人が負傷した旨発表した。
24日:南東部クフラで、国軍傘下の地元治安部隊と少数民族タブー族武装勢力との間で再び武力衝突が発生し、同部隊隊員1人が死亡、同4人が負傷した。
24日:トリポリ市内で、運輸省道路局長が同省事務所で勤務していたところ、身元不明の武装集団に誘拐された。治安当局は同局長の行方を捜査しているものの、犯行主体は依然不明とされる。
26日:トリポリ市内のチュニジア大使館領事宅の外壁に簡易手製爆弾が投げ付けられ、爆発したものの、死傷者は発生せず。
28日:南東部クフラで国軍傘下の地元治安部隊と少数民族タブー族武装勢力との間で銃撃戦が発生し、双方合わせて15人が死亡した。
30日:東部ベンガジの国軍兵舎にロケット(RPG)弾が撃ち込まれ、兵舎壁面が破損したものの、死傷者は発生せず。
最近の主なリビア情勢(6月1日~15日)
2日:「オマル・アブドル・ラハマン旅団」を名乗るイスラム武装グループは、先月22日に国際赤十字委員会(ICRC)ベンガジ事務所に向けてロケット弾2発が発射され、うち1発が事務所建物に着弾した事件について、自らの関与を認める声明を発表した。
3日:トリポリ近郊のトリポリ国際空港で、タルフーナ(トリポリから南東80キロ)出身の民兵部隊が滑走路に乱入した上で離陸待機中の航空機を包囲し、駆け付けた治安部隊と銃撃戦を交わした。乗客は機内から緊急退避し、空港は一時閉鎖されたが、翌4日にNTCとタルフーナ代表との間で協議が行われた結果、民兵部隊は空港から撤収し、その後フライトスケジュールは通常通りに戻った。
6日:東部ベンガジの米公館施設付近で簡易手製爆弾が爆発したが、死傷者は発生せず。「オマル・アブドル・ラハマン旅団」を名乗るイスラム武装グループが上記爆破事件について自らの関与を認める声明を発表した。
9日:南東部クフラで、国軍傘下の地元治安部隊と少数民族タブー族の武装勢力との間で武力衝突が発生し、同衝突は翌10日になっても収まらず、同日時点で双方合わせて31人が死亡、約70人が負傷した。
10日:最高選挙委員会は、今月19日を予定していた制憲議会選挙の投票を来月7日に延期する旨発表した。同委員会は延期理由について「技術上及びロジスティック上の問題」があったとした。
11日:東部ベンガジで、駐リビア英国大使の乗車車両を含む車列(2台)に近付いてきた不審車両から同車列に向けてロケット弾が発射され、車列を組んでいた2台のうちの1台に命中し、乗車していた警護官2人が負傷した。直後に英大側車列と不審車両との間で銃撃戦が交わされ、不審車両は現場から逃走したものの、一連の襲撃の中で英国大使に怪我は無かった。
11日:西部ナフサ山岳部の付近で、ジンターン部族とマシャーシャ部族との対立が武力衝突に発展し、同衝突は翌12日になっても収まらず、同日時点で双方合わせて14人が死亡、約90人が負傷した。
12日未明、西部ミスラタのICRC事務所付近で簡易手製爆弾によるものと見られる爆発が発生し、同事務所建物オーナーの家族1人が負傷した。
12日、トリポリの保健省庁舎前で、ベンガジ出身の民兵グループが同省敷地内への侵入を試みたところ、警備に当たっていたジンターン民兵がこれを阻止しようとして銃撃戦となり、双方合わせて2人が負傷した。
12日:南部セブハで、地元治安部隊とデモ隊との間で武力衝突が発生し、同衝突は翌13日正午になっても収まらず、同日時点で治安部隊隊員2人が死亡、同11人を含む数十人が負傷した。
13日:東部ベンガジの女性美容店が身元不明の武装集団から襲撃を受けたが、死傷者は発生せず。店主によれば、ここ1か月間に店を閉鎖するよう脅迫を受けていたとされる。
最近の主なリビア情勢(5月16日~31日)
16日:チュニジア及びアルジェリア国境沿いに位置する西部ガダメスで約200人の武装集団による襲撃事件が発生し、7人が死亡、20人が負傷した。
16日:東部ベンガジで、カダフィ支持者が収監されている国軍施設の近辺で爆弾が爆発したが、死傷者は発生せず。
17日:東部ベンガジの国際空港でNTCメンバーのハーリド・サーイフ及びファトヒ・アルバアジャが身元不明の武装集団から襲撃を受けたが、両名とも怪我は無かった。
21日:東部ベンガジで実施された地方議会選挙(19日)の投票結果が発表され、41名(うち女性1人)が当選した。
22日:東部ベンガジの国際赤十字委員会(ICRC)事務所に向けてロケット弾2発が発射され、うち1発が事務所建物に着弾したが、死傷者は発生せず。約2時間後にも事件現場から2キロ前後離れたサハラ銀行の支店にロケット弾1発が打ち込まれたが同じく死傷者はいない。
22日:最高選挙委員会は有権者登録手続の締切日となった21日時点で制憲議会選挙(6月実施予定)の有権者数が270万に上る旨発表した。これは、投票権保持者の推定数(約350万人)の80パーセント近くに相当する。
23日:ユネスコ(国連教育科学文化機関)事務局長は、世界遺産に登録されているリビア東部のガダメス旧市街がロケット弾攻撃の標的とされている旨指摘した上で、遺跡の保護を呼び掛けた。
24日:キーブ首相は英国を訪問し、キャメロン英首相との首脳会談で制憲議会選挙を始めとしたリビアの民主化移行プロセスについて協議した。
27日:トリポリ市内の高層ビル「トリポリタワー」内部に西部ジンタン出身とみられる民兵グループが侵入し銃を乱射したが、死傷者は発生せず。同ビルには英国大使館を始めとする在外公館、商社駐在事務所、銀行、旅行会社等が入居している。
27日:中部シルテの民兵部隊施設で爆発が発生し、7人が死亡した。
最近の主なリビア情勢(5月1日~15日)
1日:リビア政府は、故カダフィ次男のサイフ・アル・イスラムへの嫌疑(殺人及び拷問)につき今後数週間以内に捜査を完了する旨発表した。ただし、国際刑事裁判所(ICC)は、同国政府に対し、同人及び元同国情報機関長官に対するリビア国内での司法手続き中断を公式に求めている。
2日:英国航空(BA)は5月1日からトリポリ・ヒースロー間の定期便運行(週3便)を再開した旨発表した。
2日:コシュリ経済相は、UAEで開かれた国際会議後の記者会見で、リビア経済復興のため同国外からの直接投資が計1兆ドルに上る旨発表した。
3日:キーブ首相は、リビア訪問中のナイジェリア首相と会談し、両国関係の促進に向けた措置について協議したほか、建設、治安及び国境管理の各分野で連携することを確認した。
5日:キーブ首相はトリポリでマルタ副首相兼外相と会談し、経済及び政治の各分野で連携することを確認した。
6日:マルタ航空は今月29日からマルタ・ベンガジ間の定期便運行(週2便)を再開する旨発表した。
7日:ロシア政府はリビアへの武器輸出を解禁する手続きを完了した旨発表した。ただし、実際の武器輸出再開は、対リビア武器輸出を禁じた国連安保理決議の失効以降になるとの見通しを示した。
8日:トリポリ市内の首相府内外で、同建物への侵入を試みた武装デモ隊と内務省管轄下の治安部隊との間で銃撃戦が発生し、双方合わせて5人が死傷した。アブドル・ジャリールNTC議長及びキーブ首相は武装デモ隊による襲撃行為を強く非難した。
8日:西部ザーウィヤで旧カダフィ政権を支援した疑いのある被告5人の公判が始まった。ザーウィヤ地方裁判所はカダフィ支持者とみられる者の司法手続きは同公判が初めてとしている。
11日:トリポリ中心部の殉教者広場(旧:緑の広場)で市民数千人が集まり、政府に対し公平な司法制度の創設、民兵の国軍への統合、銃器の回収などを要求した。
12日:バニ・ワリード郊外で治安部隊と地元民兵との間で銃撃戦が発生したものの、死傷者の発生は確認されず。
12日:政府報道官は、国内の1日当たりの石油生産量が内戦後で最も高い水準となる150万バレルに到達した旨発表した。
13日:南部ウバリから約30キロの地点で制憲議会選挙(6月実施予定)の候補者が身元不明の武装集団に襲撃されて死亡した。
13日:最高選挙管理委員会は、制憲議会選挙の有権者登録期限を一週間延長し、今月21日まで登録を受け付ける旨発表した。
14日:西部ソルマン近郊で地元部族間の銃撃戦が発生し、4人が負傷した。
15日:最高選挙管理委員会は、制憲議会選挙の有権者登録数が前日14日時点で約200万人に達した旨発表した。
最近の主なリビア情勢(4月15日~30日)
15日:アブドル・ジャリールNTC議長は2日間の日程でアルジェリアを訪問し、ブーテフリカ大統領と会談した。ジャリール議長は会談後「我々はアルジェリアによるカダフィ家族に対する人道的立場を歓迎する。アルジェリアがリビアの治安に脅威となる人物の保護場所を与えないことを確信する」と述べた。
15日:東部ベンガジで3日間の日程で地方評議会選挙が開始され、同選挙では41名の評議委員が選出される予定。
15日:ハリール経済副相は東部ベンガジで自由貿易地区を設立する計画を表明した。同計画は石油依存からの脱却を模索し、ベンガジにおいて4万人の雇用を創出、貿易の拠点とすることが盛り込まれた。
16日:国軍はセブハの武装集団が占拠していた軍情報本部施設の引き渡しを受けた。
17日:NTC報道官は「キーブ首相を含む閣僚の更迭が検討されており、数週間後に内閣改造が行われる」との見通しを明らかにした。
17日:東部ベンガジでリビア東部の自治を支持する数百名が集まり、制憲議会選挙の議席構成について異議を申し立てた。
18日:国際刑事裁判所(ICC)のオカンポ主任検察官がリビアを訪問し、アブドル・ジャリールNTC議長を始めとする政府高官とカダフィ次男セイフ・アル=イスラムの処遇につき協議した。ジャリール議長は共同記者会見で、セイフ・アル=イスラムとアブダッラー・サヌーシの裁判を自国内で行う旨主張した。これに対し、オカンポ主任検察官は民兵が管理する拘留施設での虐待について調査するため、ミスラタを訪問する意向を示した。
20日:政府はカダフィ政権が崩壊して以来トリポリ出身の民兵に占拠されていたトリポリ国際空港を管理下に置いた旨発表した。
22日:南部クフラで国軍と地元部族民兵との間で銃撃戦が発生し、2人が死亡、15人が負傷した。国軍報道官は、クフラの町中で地元部族民1人の遺体が発見され、これを国軍による仕業と考えた地元部族の一部が国軍施設を襲撃したことが銃撃戦の発端との見方を示した。
23日:東部ベンガジの「アラブ湾岸石油カンパニー」(AGOCO)事務所前で武装デモ隊が抗議活動を実施し、同社に給与支払いを要求した上で同社職員の出勤を妨害した。
24日:南部クフラで国軍と地元部族民兵との間で銃撃戦が再び発生し、12人が死亡するとともに、多数の負傷者が発生した。
24日:ベン・ヤッザ石油相は、一日当たりの国内産油量が内戦前とほぼ同水準の150万バレルにまで回復した旨発表した。
24日:内務省は旧カダフィ政権と戦った民兵約7万人を同省管理下に置いた旨発表した。
26日:石油省は東部ベンガジの「アラブ湾岸石油カンパニー」(AGOCO)が抗議デモにより操業停止に追い込まれた場合、国内石油産業に深刻な影響をもたらすおそれがある旨訴えた。
27日:東部ベンガジの裁判所付近で爆弾が爆発し、建物が一部損壊したものの、死傷者はいなかった。ハリジ政府報道官は事件について捜査中とした上で、爆発現場でカダフィ前最高指導者を支持する落書きが発見されたとして、旧政権支持者による犯行の可能性を示唆した。
29日:NTCはキーブ首相を首班とする暫定内閣の信任投票を行い、内閣総辞職を課すために必要とされる3分の2以上の賛成票が集まらなかったとして、引き続き暫定内閣を信任する旨発表した。アブドル・ジャリールNTC議長は上記信任を受け、リビア国民に対し6月の制憲議会選挙までの間、NTC及び暫定内閣を支持し続けるよう呼び掛けた。
30日:治安当局は27日に東部ベンガジで発生した裁判所爆破事件の容疑者として2人を逮捕した。
最近の主なリビア情勢(4月1日~15日)
1日:南部セブハで発生した部族間対立に関し、アブドル・ジャリールNTC議長は南部の軍事地域宣言を行い、軍事執政官を任命した。移行政府首相、国防相、軍参謀総長及び情報機関長官がセブハに派遣された他、国軍が治安確保を行っている。
1日:西部ズワーラ(トリポリ西方約120キロ)において、ズワーラ武装勢力とジュメイル及びラグダリーンの武装勢力との間で衝突が発生した。ズワーラの革命戦士はリビア・チュニジア間のラス・ジャディール国境を一時閉鎖した。
3日:NTCは西部ズワーラでの戦闘に関する声明を発し、3日までの戦闘で14名が死亡、80名が負傷し、事態の沈静化のためにNTC副議長が派遣された旨表明した。国軍兵士500名が現地に派遣された。
4日:セブハ空港が国軍の管理下に引き渡された。
7日:リビアの武装集団がチュニジア人密輸グループを国境付近で拘束したことを受け、チュニジア政府はラス・ジャディール国境を一時的に閉鎖した。
8日:アシュール司法相は、リビアはセイフ・アル=イスラムをICCに引き渡さないとして、国内での裁判を主張した。
8日:NTCは、不正受給の増加を受けて革命戦士に対する補助金に支払いを停止した。これに対し一部の武装集団は、抗議のため内閣本部建物を襲撃し内部で銃撃を行った。
10日:東部ベンガジに出張中のイアン・マーティン国連リビア支援団(UNSMIL)特別代表一行の車列に爆発物が投げつけられる事件が発生した。負傷者はなかった。
11日:ジュウェイリ国防省は声明で、トリポリ国際空港の内部が11日に運輸省に引き渡され、空港外部が12日に国防省に引き渡される予定であることを表明した。
15日:アブドル・ジャリールNTC議長は2日間の日程でアルジェリアを訪問した。
最近の主なリビア情勢(3月24日~31日)
24日:トリポリ国際空港を管理下に置くジンターン武装集団司令官は、24時間以内に空港を政府に引き渡すことを表明。
25日:革命戦士により一時閉鎖されていたリビア・エジプト間のサッルーム国境が再開された。
26日:リビア南部セブハにおいてアラブ系部族とアフリカ系タボ族の戦闘が発生した。30日までに147名が死亡、395名が負傷した。また、戦闘中にセブハ空港の航空機が被弾し、空港の運行が停止された。
26日:3月6日にキレナイカ地方が半自治国家を宣言した問題に関し、アブドル・ジャリールNTC議長はNTC及び移行政府に対する不満を表明し、閣僚の更迭の可能性について言及した。
26日:トリポリ市民はトリポリ国際空港の支配を続けているジンターン武装勢力に対して空港の引き渡しを求めるデモ行進を行った。これに対してジンターン武装勢力はデモ隊に発砲して解散させた。同空港の引き渡しに関し移行政府広報官は、空港での暴力事件に対する抗議やセブハでの衝突により、引き渡し作業が進んでいないとしている。
28日:伊税務警察は自国内でカダフィ家族が管理する株や土地など総額15億ドル以上の資産を差し押さえた。
31日:アルキーブ首相はセブハでの停戦合意を発表した。国軍が空港などの戦略拠点を警備し、リビア軍機が偵察行動を取っている。
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